Amazonの「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、Alexaデジタル・アシスタントの応答を、さらに高速化する。'20.09.29
【Amazonの「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、Alexaデジタル・アシスタントの応答を、さらに高速化する。】'20.09.29
Amazonの「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、新しい、Echoスマート・デバイスに組み込まれ、「Alexa」音声対応デジタル・アシスタントの応答を、さらに高速化する。2020年9月24日
Amazonは、台湾の半導体メーカで、ファブレスIC設計会社の「MediaTek」と、パートナーを組み、「AZ1 Neural Edge」と呼ばれる、カスタム・プロセッサを構築した。
このカスタム・プロセッサ、「AZ1 Neural Edge」は、数100ミリ秒で、ユーザからの問合せや要求などに対する、Alexaデジタル・アシスタントの応答を、さらに高速化する、シリコン・モジュールである。
Amazonによると、この「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、Amazonの新しい、スマート・デバイス上で、ニューラル音声認識を可能にするという。
この「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、新しいEchoスマート・スピーカ、「Echo Dot」と「EchoDot with clock」、「Echo Dot Kids Edition」、および、「Echo Show 10」スマート・ディスプレイに、組み込まれているようだ。
Amazonによると、現在、「Echo Dot」と「Echo Show 10」だけが、Amazonの新しい、オール・ニューラル音声モデルをサポートするために必要な、オンデバイス・メモリを搭載しているという。
さらに、Amazonは、MediaTekと共同で構築した、「AZ1 Neural Edge」プロセッサを、他のスマート・デバイスに、組み込んでいく意向のようだ。
これにより、Amazonは、データの生成元、あるいは、その近くで、データを、ローカルに処理できるようにする、エッジ・コンピューティングを展開できるようになり、クラウドとネットワークの負荷を低減できるようになる。
・「AZ1 Neural Edge」プロセッサを搭載していない、Amazonの既存の製品は、生成した、データ(例えば、音声や、それに対応するやり取り)を、クラウドに送信して、処理して貰い、応答を受け取る。
・「AZ1 Neural Edge」プロセッサを搭載した、Amazonの新しい、「Echo Dot」や「Echo Show 10」は、ある程度、デバイス上で、ローカルに、データを処理できるため、クラウドに送信する、データ量を減らすことができ、クラウドとネットワークの負荷を低減させることが可能になり、ユーザの要求に、より早く応答できるようにする。
このように、Amazonは、新しい、スマート・デバイスでは、音声などのデータを処理する方法を、クラウド・ベースから、エッジ・コンピューティングにシフトさせ、ユーザの要求に対する、Alexaデジタル・アシスタントの応答を、より高速化する。
ユーザが、Alexaデジタル・アシスタントと、対話する方法は、変わらないが、各ユーザ向けに、パーソナライズされ、最適化される。
Amazonは、最初に、米国において、「AZ1 Neural Edge」プロセッサを搭載した、Amazonの新しい、デバイスで、ユーザと、Alexaデジタル・アシスタントとの、自然言語(英語)での会話を、ローカルに処理できるようにする。
「Amazon」と「MediaTek」の間の、「AZ1 Neural Edge」プロセッサでの、パートナー関係は、「Surface Pro X」用に構築した、ARMアーキテクチャのカスタム・プロセッサである、「SQ1」プロセッサの開発における、「Microsoft」と「Qualcomm」の間の、パートナー関係と似ている。
また、プロセッサの実装に関して、Amazonの「AZ1 Neural Edge」プロセッサの実装は、Googleの「Pixel 4」スマートフォンに搭載されている、画像処理専用プロセッサである、「Neural Core」プロセッサの実装に似ており、AI処理を指向している。
Amazonのスマート・デバイスに組み込まれた、「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、ユーザと、スマート・デバイスに組み込まれた、Alexaデジタル・アシスタントとの、自然言語(最初は英語)での話し言葉を理解できるよう、ローカルに処理できるようにする。
また、Amazonのスマート・デバイスに組み込まれた、「AZ1 Neural Edge」プロセッサは、画像編集、手書き文字認識、指紋や顔などの認証といった作業の処理の多くを、ローカルに実行できるようにする。
これにより、Alexaデジタル・アシスタントが、ユーザへ、より早く、応答を返せるようになり、クラウドとネットワークの負荷も低減できるようになる。
また、Alexaデジタル・アシスタントは、ユーザの質問や要求や依頼などに対する、応答を、これまでの、ユーザとの対話を、学習することで、継続的に、よりユーザの嗜好や思考に合わせ、パーソナライズし、最適化していく。
Amazonは、クラウドで行っていた処理の一部を、スマート・デバイスで、ローカルに処理できるようにすることで、ユーザ経験を、さらに、改善させていくようだ。
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